40代、50代の私たちにとって、親の相続は「いつか来るもの」から「いつ来てもおかしくないもの」へと変わります。
相続を正しく理解し、円満に乗り切るためには、法律が定める「建前」と、家族の事情が絡む「本音」という、相反する二つの側面を知る必要があります。相続専門FPとして、この「相続の二面性」を解説します。
相続とは、まず法律に基づいた権利と義務の承継です。家族の感情とは無関係に、すべての手続きはこの法律の枠組みの中で進められます。
1. 相続の第一面:法律が定める厳格な「建前」(法的枠組みの理解)
(1) 「誰が」「何を」受け継ぐのか?
法律は、相続財産を誰が受け継ぐかについて明確なルールを定めています。
- 法定相続人:法律で定められた相続人の範囲と順位です。配偶者は常に相続人となりますが、子、親、兄弟姉妹には順位があり、先順位がいなければ次順位へ、という厳格なルールがあります。
- 法定相続分:相続人ごとの、財産を取得できる割合の目安です。例えば、配偶者と子がいる場合、それぞれ2分の1ずつと定められています。
(2) 相続財産は「プラス」と「マイナス」の全て
相続の対象となるのは、預貯金や不動産といったプラスの財産だけではありません。借金や未払金といったマイナスの財産も含まれます。
- 借金も引き継ぐ:このため、相続人はまず、プラス財産とマイナス財産のどちらが多いのかを3ヶ月以内に判断し、借金が多い場合は相続放棄という手続きをとる必要があります。
👉 法律の役割: 法律は、家族の仲が悪くても、財産を公平に清算し、次の世代へ権利を移すための、中立的かつ強制力のある土台を提供しています。
2. 相続の第二面:家族の「本音」が手続きを左右する現実
法律が定める「建前」がある一方で、実際の相続の現場は、家族それぞれの事情や感情によって左右されます。法律通りに事が進むのは、遺言書がない場合の最終手段に過ぎません。
(1) 遺産分割の決定権は「家族全員の合意」にある
法定相続分はあくまで目安であり、実際の遺産の分け方は、**相続人全員の話し合い(遺産分割協議)**で決まります。たとえ遺言書があっても、相続人全員が合意すれば、遺言書と異なる分け方をすることも可能です。
- 感情が最優先:この遺産分割協議において、法律上の権利よりも、「親の介護をしていた」「実家は長男が継ぐべきだ」といった家族間の感情や貢献度が、決定を大きく左右します。これが相続トラブル(争族)の温床です。
(2) 認知症リスクが「対策」の機会を奪う
法律や税金は、親御さんが元気で判断能力があることを前提としています。
しかし、親御さんが認知症などで判断能力を失うと、遺言書の作成や、銀行での払い出し手続きなど、財産に関するあらゆる行為ができなくなります。法律の枠組み以前に、対策そのものが不可能になるという現実が、私たち40代・50代を悩ませています。
3. 相続完全ガイドの活用法:二面性を乗り越える
相続を円満に乗り切るためには、この「法律の建前」と「家族の本音」という二面性を理解し、そのギャップを埋める対策が必要です。
この「相続完全ガイド」は、そのための行動指針を提供します。
- 第I章:準備フェーズ — まずは法的な基礎(誰が、何を)を理解し、家族の本音を引き出すためのコミュニケーションと情報収集を行います。
- 第II章:対策フェーズ — 法律の枠組みを利用し、争族回避、納税、節税といった専門的な戦略を実行します。
- 第III章:発生フェーズ — 法律が定める期限内に、間違いなく手続きを完了させるための実行マニュアルとして活用します。
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法律が定める「建前」と、家族の事情が絡む「本音」という、相反する二つの側面を知ったうえで取り組む必要があります。
FP事務所FPisは、お客様の家族構成や資産状況を総合的に把握し、争族を回避し、税負担を最小化するための最適な遺言書作成、家族信託、生命保険の活用プランをご提案します。
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