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分配型投信vs定期売却サービス|税金を比較して賢く選ぶ取り崩し戦略

分配型投信vs定期売却サービス|課税の違いを比較して賢く選ぶ取り崩し戦略

「毎月分配型の投資信託から安定収入を得ているつもりが、実は元本を取り崩していた」——そんな方の相談が後を絶ちません。分配型投信と定期売却サービスは、どちらも同じ利益に同じ税率(20.315%)がかかります。「課税の不公平」はありません。では何が違うのか——答えは「いつ課税されるか」です。分配型は受け取るたびに即時課税、定期売却は評価益が出た分だけ後払い。この「課税のタイミングの差」が複利運用を通じて長期で大きな手取りの差になります。このコラムでは、その仕組みを具体例とシミュレーションでシンプルに解説します。

石田健雄 FP事務所FPis代表

✍ この記事を書いた人

石田 健雄(いしだ たけお)
FP事務所FPis代表|CFP・1級FP技能士
第一生命に35年勤務後、2025年4月に独立開業。100世帯超のライフプラン・資産運用・保険・相続をサポート。独立系FPとして幅広く資産設計を支援。

資産運用NISA投資信託老後設計

📌 この記事の要点

  1. 分配型も定期売却も「同じ利益には同じ税率(20.315%)がかかる」という点は同じ。違いは「いつ課税されるか」だけ
  2. 分配型は分配金が出るたびに即時全額課税。定期売却は売却時の評価益部分のみ課税——資産が小さいうちは課税額も少ない
  3. 定期売却で「今払わずに済んだ税金」が運用に残り続け複利で増える——これが課税繰り延べによる運用効率の差
  4. 定期売却も長期で資産が成長するにつれ評価益比率が上がり課税割合は増えるが、「元本部分は非課税」という構造は変わらない
  5. NISA口座では非課税なので繰り延べ効果より「元本を削らない定期売却」の方が複利効果を最大化できる

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分配型投信と定期売却:仕組みの違いを一目で理解する

分配型投信は運用会社が分配金を支払う仕組み(投資家の操作不要)。定期売却は証券会社のシステムで自動売却する仕組み(一度設定すれば自動化)。両者は課税タイミングと課税対象が根本的に異なる。

🔶 分配型投信の流れ

  1. 運用会社が基準価額から分配金を捻出
  2. 分配金が投資家に支払われる
  3. 普通分配金:全額20.315%課税
  4. 特別分配金:非課税だが元本が減少
  5. 基準価額が下落 → 将来の運用益も縮小
VS

🔷 定期売却の流れ

  1. 投資家が証券会社で売却条件を設定
  2. 毎月自動で一定額分の投信を売却
  3. 課税対象:売却益(利益分)のみ
  4. 損失なら課税ゼロ・損益通算も可能
  5. NISA口座なら売却益も全額非課税

最大の違いは「いつ・何に課税されるか」です。分配型は分配のたびに即時課税、定期売却は売却時の利益のみが課税対象です。

分配型投信の課税ルール(普通分配・特別分配の違い)

分配型投信の分配金は「普通分配金」と「特別分配金(元本払戻金)」の2種類。普通分配金は全額が配当所得として20.315%(所得税15.315%+住民税5%)源泉徴収される。特別分配金は非課税だが、基準価額が取得価額を下回っていることを意味する。

分配型投資信託(毎月分配型など)は、一定期間ごとに運用益の一部を投資家に分配金として支払う仕組みです。この分配金には、課税の扱いが異なる2種類があります。

普通分配金(課税あり)

基準価額が個別元本(取得価額)を上回っている状態で支払われる分配金です。運用によって生じた利益の分配であるため、配当所得として20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)が源泉徴収されます。確定申告で申告分離課税を選択することも可能ですが、特定口座(源泉徴収あり)であれば確定申告不要です。

特別分配金・元本払戻金(非課税)

基準価額が個別元本を下回っている場合に支払われる分配金です。これは「利益の分配」ではなく、自分が投資したお金が戻ってくるだけなので非課税です。ただし分配金をもらうたびに元本(個別元本)が減少していくため、将来の資産が目減りすることを意味します。

⚠️ 注意:高分配率の投信は特別分配が多い場合も
「年利回り8%の毎月分配型」と謳われていても、基準価額が下落していれば特別分配(元本払戻)が含まれている可能性があります。「高い分配金=好成績」とは限りません。分配金通知書で普通分配・特別分配の内訳を必ず確認しましょう。

「評価益がなくても普通分配として課税される」とはどういう意味?

これは少し分かりにくい概念ですが、実は分配型に特有の重要なポイントです。具体例で説明します。

【具体例】評価益がわずかでも普通分配になるケース
・取得価額(個別元本):基準価額10,000円で購入
・現在の基準価額(分配前):10,100円(+1%のわずかな値上がり)
・今月の分配金:100円(保有株式・債券の配当・利息が財源)
・分配後の基準価額:10,100円 − 100円 = 10,000円 = 個別元本
→ 分配後基準価額(10,000円) ≧ 個別元本(10,000円)のため全額「普通分配」として20.315%課税(税額約20円)

投資信託は保有する株式や債券から「インカムゲイン(配当収益・利息)」を毎月得ています。毎月分配型のファンドはこのインカムゲインを財源に分配金を支払います。ファンドの基準価額がほとんど上昇していない(評価益がほぼゼロの)状態でも、インカムゲインがある限り毎月課税が発生します。

対して定期売却では、課税されるのは「売却価格 − 取得価額(元本)」の評価益部分だけです。評価益がゼロや損失であれば課税もゼロ。「インカムゲインがあるから課税される」という事態は起きません。この仕組みの違いが、長期では大きな税負担の差となって表れます。

分配金の課税早見表

分配金の種類 内容 課税 個別元本への影響
普通分配金 基準価額>個別元本の差益から支払い 20.315%源泉徴収 変化なし
特別分配金(元本払戻金) 基準価額≤個別元本の場合に元本から支払い 非課税 分配金額だけ減少

出典:国税庁「No.1476 特定口座制度」金融庁「投資信託に関する基礎知識」

定期売却サービスの課税ルールと損益通算の活用

定期売却は保有する投資信託を定期的に一定額・一定口数で売却するサービス。課税されるのは「売却価格 − 取得単価(平均取得価額)」の売却益のみ。損失が出た年は他の金融所得と損益通算でき(確定申告必要)、税負担をゼロにできるケースもある。

定期売却サービスとは、証券会社のシステムが設定した金額・口数・日付に従って自動的に投資信託を売却し、現金を受け取れるサービスです。SBI証券・楽天証券・マネックス証券などの主要ネット証券が提供しています。

課税対象は「売却益」だけ

売却時に課税されるのは、売却価格から取得価額(平均取得単価)を差し引いた利益部分のみです。取得価額に相当する元本部分は非課税です。

定期売却の課税計算式
課税対象額 =(売却価格 − 平均取得単価)× 売却口数
税額 = 課税対象額 × 20.315%(所得税15.315%+住民税5%)

例えば、取得価額100万円の投資信託が現在120万円に値上がりしており、10万円分を売却する場合:

  • 元本回収割合:100/120 = 約83.3%
  • 課税対象(利益):10万円 × 16.7% = 約1.67万円
  • 税額:1.67万円 × 20.315% ≈ 約3,393円
  • 手取り:約96,607円(課税9.65万円+元本回収約8.33万円の実態)

損失が出た年の損益通算(重要な節税ポイント)

定期売却で損失が出た場合(取得価額を下回る価格での売却)は、課税額ゼロになります。さらに特定口座内の他の金融所得(他の投信の売却益・配当金など)との損益通算ができます(確定申告が必要)。これにより、損失の年は税負担を大きく抑えることが可能です。

📋 損益通算の要件(参考)
・特定口座(源泉徴収あり)同士であれば確定申告で損益通算可能
・NISA口座内の損失は損益通算不可(NISA口座外の利益とは通算できない)
・損失は3年間の繰越控除(上場株式等の譲渡損失)が可能
出典:国税庁「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」

定期売却の課税早見表(取得時より値上がりしている場合)

現在価値(元本100万円) 月5万円受取の課税額(概算) 手取り
100万円(±0%) 0円(全額元本回収) 50,000円
120万円(+20%) 約1,700円 約48,300円
150万円(+50%) 約3,400円 約46,600円
200万円(+100%) 約5,100円 約44,900円

※あくまで概算。取得単価・口数・税率により変動します。税理士・弁護士へのご相談をお勧めします。

具体的な課税シミュレーション比較(同条件で比べると?)

運用資産1,000万円・年利3%・年間60万円受取ケースで比較:分配型(普通分配のみ)の年税負担は約12.19万円、手取り約47.81万円。定期売却(評価益20%)の年税負担は約2.44万円、手取り約57.56万円。差額は約9.75万円/年で、10年で約97.5万円の差になる。

前提条件

  • 投資資産:1,000万円(取得価額800万円、現在価値1,000万円)
  • 運用利回り:年3%
  • 年間受取額:60万円(月5万円)
  • 分配型:60万円すべてが普通分配金(最も課税が多いケース)
  • 定期売却:評価益20%(取得価額800万円 → 現在1,000万円)

1年間の課税比較

項目 分配型投信(普通分配のみ) 定期売却(評価益20%)
年間受取額 60万円 60万円
課税対象額 60万円(全額) 約12万円(利益部分のみ)
税額(20.315%) 約12.19万円 約2.44万円
手取り 約47.81万円 約57.56万円
差額 約9.75万円/年の差(定期売却が有利)

定期売却は長期で課税割合が増えていく——それでも有利な理由

定期売却を長期間続けると、資産が成長するほど「評価益の比率」が高まり、売却時の課税割合も増えていきます。下表はその変化のイメージです。

時点 取得価額(元本) 時価 評価益率 月5万円受取の税負担(概算)
開始時 800万円 1,000万円 20% 約2,030円
5年後 残元本:約600万円 約900万円 約33% 約3,380円
10年後 残元本:約400万円 約800万円 約50% 約5,080円
15年後 残元本:約200万円 約600万円 約67% 約6,800円

※取得価額は売却のたびに按分して減少。時価は年3%成長で試算した概算値。

それでも定期売却が有利な理由——「課税繰り延べ」の複利効果
分配型と定期売却は、同じ資産から同じ金額を受け取る限り、長期的な課税総額は本質的に同じです。
違いは「いつ課税されるか」だけ。
分配型は今すぐ課税 → 運用に残るお金が少ない
定期売却は後で課税 → 今日払わなかった税金分が運用に残り続け、複利で増える

この「今払わずに運用に回せる差額」が長期で積み重なることが、定期売却の優位性の本質です。

10年・20年での累積優位(試算)

期間 定期売却が課税を繰り延べできた分の累積(概算) 備考
5年 年間の税負担差:3〜8万円 × 5年 早期ほど差が大きく、後期は縮まる
10年 繰り延べた税金が運用され続けた複利分が加算 運用が好調なほど差が拡大
長期(20年〜) 最終的に同じ税総額でも、手元資産の残高は定期売却が多くなる 繰り延べ効果の累積による
⚠️ 分配型から定期売却への乗り換えに注意が必要なケース
「すぐに定期売却に切り替えれば良い」とは限りません。現在保有中の分配型投信に含み損がある場合や、信託財産留保額(解約手数料)が高い場合は、乗り換え時のコストが発生します。「今後どうするか」の戦略は個別状況によって判断が必要です。新規に投資信託を購入する場合は、原則として定期売却の方が税務上有利なことがほとんどです。

NISA口座での分配型投信と定期売却の違い

NISA口座では分配金・売却益ともに非課税。ただし分配型はNISA口座内でも元本を削る構造なので、分配が出るたびに「非課税で運用できる資産」が流出する。定期売却ならNISA内の資産が複利運用されたまま必要額だけ売却でき、非課税枠を最大活用できる。

2024年新NISAの概要

2024年から始まった新NISAでは、成長投資枠(年240万円・生涯投資枠1,200万円)とつみたて投資枠(年120万円)の合計最大1,800万円まで分配金も売却益もすべて非課税になります(出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト」)。

分配型投信をNISAで持つ場合の注意点

NISA口座内で分配型投信を保有すると確かに分配金は非課税になります。しかし問題は「分配金として外に出てしまうと、その資金はもうNISA口座内で運用されない」点です。

  • 分配金を受け取るたびにNISA枠内の運用資産が減る
  • 受け取った分配金を再投資するには新たにNISA枠を使う必要がある(生涯投資枠を消費)
  • 特別分配金はNISA口座内でも生涯投資枠の消費につながる

定期売却×NISAの組み合わせが効率的な理由

NISA口座内の投資信託を定期売却すれば、売却益は非課税のまま受け取れます。さらに取り崩すまでの期間は複利運用が続くため、長期的な資産効率は定期売却の方が優れていると考えられます。

新NISA活用の基本的な考え方(参考)
・成長投資枠(年240万円):インデックスファンドを保有 → 60歳以降に定期売却開始
・つみたて投資枠(年120万円):長期積立で複利運用 → 退職後に定期売却切り替え
・生涯投資枠1,800万円は「売却しても再利用可能」(翌年に復活)
※具体的な運用方針は個人の状況により異なります。税理士・FPへのご相談をお勧めします。

課税繰り延べ効果:「いつ払うか」の差が複利を生む

分配型も定期売却も、同じ資産・同じ利益に対して最終的な税率(20.315%)は変わらない。違いは「いつ課税されるか」。定期売却は課税を後ろ倒しにし、払わずに済んだ税金分が運用に残り複利で増える——これが課税繰り延べ効果の本質。

核心は「課税の公平性ではなく、タイミングの差」
分配型と定期売却、どちらも同じ資産で同じ利益を得た場合、税率は同じ(20.315%)です。
長期的に「どちらが得か」という問いへの答えは:
「同額の税金を払うなら、なるべく後で払った方が得」——これだけです。

「なぜ後で払う方が得か」をシンプルに理解する

仮に今月「1万円の税金を払う」と「1万円を運用に残す」を比べると:

  • 今払う → 1万円が手元からなくなる
  • 後で払う → その1万円が来年・再来年も運用され続け、例えば年3%なら1年後に10,300円になる
  • 差額の300円は「払うべき税金を先送りにして運用した利益」

これを毎月・毎年繰り返すことで、長期では無視できない差になります。

分配型と定期売却の課税タイミング比較

項目 分配型投信 定期売却
課税タイミング 分配のたびに即時課税 売却時のみ課税(評価益がなければゼロ)
課税対象範囲 普通分配金の全額 売却益のみ(元本部分は非課税)
長期で課税割合は? 常に分配金全額(変わらない) 資産成長につれ評価益比率が上がり増える
繰り延べ効果 なし(毎回即時課税) あり(評価益確定まで課税なし)
NISA活用効率 低い(資産が分配で口座外に流出) 高い(資産が口座内で複利運用継続)

定期売却も長期で資産が成長するにつれ評価益の比率が高まり、課税割合は増えていきます。しかし「元本部分には課税されない」という構造は変わりません。一方の分配型は普通分配金の全額に毎回課税されます。この構造的な差が、課税繰り延べ効果として長期間積み重なります。

こんな方は分配型が向く、こんな方は定期売却が向く

分配型は「一定の現金収入が心理的安心につながる方」に向く。定期売却は「課税を抑えながら効率よく取り崩したい方」「NISA口座を最大活用したい方」に適している。最適解は資産規模・生活費・税率・NISA枠の使い方によって異なるため、FPへの個別相談が有効。

⚠️ 「毎月受け取りたいから分配型」は誤解です
「分配型でないと毎月受け取れない」と思っている方が多いですが、定期売却サービスも毎月・隔月・3ヶ月ごとなど自動設定が可能で、指定口座に自動入金されます。毎月受け取りたいという目的であれば、定期売却でまったく同じことが実現できます。

税制面ではほとんどのケースで定期売却の方が有利です。分配型が依然として合理的な選択肢となるのは、以下の非常に限られた場合です。

分配型を継続することが合理的な場合(限定的)

  • 乗り換えコストが大きい場合:現在保有中の分配型投信に含み損がある、または信託財産留保額(解約手数料)が高く、売却・乗り換えの実損が大きい場合。これは「分配型が有利」ではなく「今の乗り換えに不利な条件がある」という判断です。
  • 特別分配(元本払戻)が大部分を占めている場合:基準価額が個別元本を大きく下回っており、分配金のほとんどが非課税の元本払戻になっている状態では、一時的に課税上のデメリットが小さくなります。ただし、この状態自体が「資産が大きく減っている」ことを意味します。

新規に投資信託を購入する場合、または乗り換えのコストが許容範囲内であれば、分配型よりも低コストのインデックスファンド×定期売却の組み合わせを選ぶ方が、長期的な手取りと資産効率の観点で優れていることがほとんどです。

定期売却が向いている方(原則推奨)

  • 毎月・定期的に一定額を受け取りたい方(定期売却で同じ設定が可能)
  • 同じ受取額でも手取りを最大化したい方
  • NISA口座を最大限に活用したい方
  • これから新たに投資信託の取り崩しを始める方
  • 長期的な資産効率を重視する方(10年・20年単位の視点)

特定口座の分配型+NISA口座の定期売却という組み合わせも

特定口座で保有中の分配型投信はコストを見ながら徐々に整理しつつ、NISA口座では低コストインデックスファンドを定期売却で取り崩す、という段階的な移行も現実的な選択肢です。

FP相談事例:実際の取り崩し戦略の見直し事例

65歳・退職金2,000万円を毎月分配型投信で運用していたAさんは特別分配(元本払戻)が分配金の大半を占めていた。FP相談を経て定期売却に切り替え、年間7〜9万円の税負担軽減を実現。BさんはNISA口座で定期売却に切り替え手取りを改善。Cさんは組み合わせ戦略で心理的安定と効率化を両立。

Aさん(65歳・元会社員):分配型から定期売却へ移行

退職金2,000万円を毎月分配型投信(分配率年6%)で運用し、月10万円の分配金を受け取っていたAさん。しかし基準価額が取得時より15%下落していたため、毎月の分配金の大半が特別分配(元本払戻)でした。

FPisに相談した結果、「元本が着実に減少している」ことを可視化。同じ運用資産を低コストのインデックスファンドに切り替え、定期売却サービスを設定。年間約7〜9万円の税負担軽減と、元本の取り崩しペースの改善を実現しました。

Bさん(62歳・専業主婦):NISAで定期売却を活用

夫の退職に合わせて相談に来られたBさん。夫名義のNISA口座に毎月分配型投信を保有していましたが、FP相談を通じてNISA内での定期売却に切り替え。年間60万円の受取で約10万円の節税効果(NISA非課税 + 課税対象の縮小)が試算されました。

Cさん(68歳・元経営者):分配型と定期売却の組み合わせ

「毎月振り込まれる分配金がないと不安」というCさん。特定口座の分配型投信はそのまま保有し、NISA口座に新たに積み立てたインデックスファンドの定期売却を組み合わせることで、心理的安定と税務効率の両立を実現しました。

誤解されやすい分配型投信の「落とし穴」とは

毎月分配型投信の「高い分配金=好成績」は誤解。基準価額が下落していれば分配金の一部または全部は元本払戻(特別分配)であり資産が減少していることを意味する。NISAで分配型を保有しても複利効果が弱まる点と、「定期売却は難しい」という思い込みも要注意。

誤解①「高分配率の投信ほど儲かっている」

年率8%・10%といった高い分配率を謳う投信でも、基準価額が下落していれば運用益ではなく元本からの支払い(特別分配)が含まれています。元本が減れば将来受け取れる総額も減ります。分配金通知書で普通分配と特別分配の内訳を必ず確認することが大切です。

誤解②「NISA口座ならどんな投信でも有利」

NISA口座内でも、分配型投信は分配が出るたびに「口座から資金が流出」します。非課税の恩恵があっても資産が口座内に残らないため複利効果が弱まります。NISA活用では長期間資産を口座内に置き続けることが重要です。

誤解③「定期売却は複雑で自分には無理」

多くの証券会社では、月額・月次・隔月など細かく設定できる定期売却サービスを提供しています。一度設定すれば自動的に売却・入金が行われるため、手間はほとんどありません。IFA(独立系資産運用アドバイザー)に相談すれば設定サポートも受けられます。

📋 保有中の分配型投信を確認すべき3つのポイント
①基準価額は取得時より上がっているか?(下落していれば特別分配の可能性あり)
②分配金通知書で普通分配/特別分配の比率を確認したか?
③信託報酬(コスト)は年0.5%程度に収まっているか?(高コスト投信は取り崩し加速に注意)

よくある質問(FAQ)

分配型投信と定期売却サービスは何が違うのですか?
最大の違いは課税の仕組みです。分配型は運用会社が分配金を支払う仕組みで普通分配金は全額課税されます。定期売却は証券会社のシステムで自動的に投信を売却する仕組みで、課税されるのは売却益のみです。投資家側での定期操作はどちらも不要です。
普通分配金と特別分配金(元本払戻金)の違いを教えてください
普通分配金は運用益から支払われる分配金で20.315%課税されます。特別分配金(元本払戻金)は基準価額が取得価額を下回った場合に元本から支払われるもので非課税ですが、資産が減少していることを意味します。どちらが多いかは分配金通知書で確認できます。
定期売却の課税はどのように計算されますか?
課税対象額は「(売却価格 − 平均取得単価)× 売却口数」で計算し、この金額に20.315%を掛けた額が税金になります。損失の場合は課税ゼロで、他の金融所得と損益通算もできます(確定申告が必要)。
NISAで分配型投信を持つのはおすすめですか?
非課税にはなりますが、分配が出るたびにNISA口座内の資産が流出し複利効果が弱まります。NISA口座はインデックスファンドを長期保有して定期売却で取り崩す方が、非課税枠を効率的に活用できるケースが多いです。
毎月分配型投信の分配金は全部課税されますか?
普通分配金(運用益からの分配)は全額20.315%課税されます。特別分配金(元本払戻金)は非課税です。毎月の分配金にどちらがどれだけ含まれるかは基準価額と個別元本の関係によって変わります。
定期売却で損失が出た場合、確定申告は必要ですか?
特定口座(源泉徴収あり)の場合、損失が出ると源泉徴収済みの税金が還付される場合があります。他の金融所得と損益通算したい場合や3年間の繰越控除を利用したい場合は確定申告が必要です。詳しくは税理士にご相談ください。
分配型と定期売却を組み合わせることはできますか?
可能です。例えば「特定口座で保有中の分配型投信はそのまま、NISA口座の新たな積立分は定期売却で取り崩す」という組み合わせが現実的です。心理的安定と税務効率のバランスを取る方法として有効です。
課税繰り延べ効果とはどういう意味ですか?
課税のタイミングを将来に先送りすることで、今の手取りを増やし増えた資金をさらに運用に回せる効果です。定期売却は売却益が出たときだけ課税されるため分配型と比べて課税繰り延べ効果が生まれやすく、長期運用ほど差が大きくなる傾向があります。
取り崩し戦略はいつから始めれば良いですか?
退職の2〜3年前から検討を始めることをお勧めします。NISA口座の活用方針・特定口座の保有状況・生活費の試算など、準備に時間がかかる要素が多くあります。早めにFPに相談することで選択肢が広がります。
FPに相談することで取り崩し戦略はどう変わりますか?
個人の資産規模・生活費・年齢・家族構成・NISA活用状況に応じた個別シミュレーションを作成できます。税務最適化・相続対策・保険見直しも含めた総合的な視点からアドバイスを提供し、定期的なフォローアップで状況変化にも対応します。

東京・渋谷のFP事務所FPisが選ばれる理由

FP事務所FPis(エフピス)は、東京都渋谷区に拠点を置く独立系FP事務所です。代表の石田健雄は第一生命に35年勤務し、100世帯超のお客様のお金の課題に向き合ってきた実績を持ちます。FP相談・保険・証券をワンストップで提供します。

石田健雄 FP事務所FPis代表

石田 健雄(いしだ たけお)|FP事務所FPis代表

CFP・1級FP技能士。第一生命に35年間勤務後、2025年4月に独立開業。100世帯超のライフプラン・保険・資産運用・相続をサポート。渋谷区渋谷2-19-19 ワコー宮益坂ビル5階。対面・オンライン・LINE・電話で対応。

対応エリア:東京都渋谷区周辺・首都圏全域(オンライン可)

日経BP(日経ビジネス Human Capital)に取材掲載

「70歳まで働き続けたい。
だからこそ、今このタイミングで独立するべきだ」

石田は第一生命に35年間勤め、本社所属のFPとして多くのお客様に向き合ってきました。40代で個人向け営業の最前線に立った4年間は「会社人生で最も充実していた」と振り返るほど手応えのある日々でした。

とりわけ印象に残っているのが、ご家族への寄り添いサポートです。複雑な手

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