分散投資とリスク許容度|自分に合うポートフォリオの作り方
「投資を始めたいけれど、何にどう分けたらいいのか分からない」——そう感じている初心者の方は少なくありません。株式・債券・投資信託、国内・海外、一括・積立と選択肢が多く、自分にとっての「ちょうどよい配分」が見えにくいのが分散投資の悩みどころです。この記事では、分散投資の基本の考え方とリスク許容度の決まり方を整理し、自分に合うポートフォリオをどう組み立てていくかをFPisがわかりやすくお伝えします。
📌 この記事の要点
- 分散投資には「資産の分散」「地域の分散」「時間の分散」という主に3つの軸があります。
- 金融庁も「長期・積立・分散」を個人の資産形成における基本的な考え方として情報発信しています。
- リスク許容度は年齢・収入・資産・投資経験・運用目的や期間・性格などで決まり、人によって異なります。
- 長期の運用成果は個別銘柄選びよりもアセットアロケーション(資産配分)に大きく左右されるとされています。
- 分散投資をしてもリスクはゼロにはならず、元本割れの可能性がある点には留意が必要です。
分散投資とは|資産・地域・時間の3つの軸で理解する
分散投資とは、値動きの異なる複数の資産・地域・購入時期に資金を分けて投資する方法です。資産の分散・地域の分散・時間の分散という3つの軸で考えると、投資先を整理しやすくなります。
分散投資と聞くと「たくさんの銘柄を持つこと」とイメージされる方も多いですが、大切なのはその中身です。値動きの性質が異なるものを組み合わせることで、ある資産が値下がりしても別の資産でカバーしやすくなるという考え方が基本にあります。
分散投資の軸は、大きく分けて次の3つに整理できます。
| 分散の軸 | 具体的な内容 | 期待できる考え方 |
|---|---|---|
| 資産の分散 | 株式・債券・不動産(REIT)・現金等に資金を配分する | 値動きの異なる資産を組み合わせ、片方が下落しても他方でカバーしやすくする |
| 地域の分散 | 国内・先進国・新興国など投資先の地域を分ける | 特定の国・地域の経済状況に運用成果が左右されにくくする |
| 時間の分散 | 一括投資ではなく積立(ドルコスト平均法)で購入時期を分ける | 購入価格が平準化され、高値づかみのリスクを抑えやすくする |
金融庁も、個人の資産形成における基本的な考え方として「長期・積立・分散」を情報発信しています(出典:金融庁「投資の基本(長期・積立・分散)」https://www.fsa.go.jp/)。この3つの軸を意識するだけでも、投資先を選ぶ際の判断材料が整理しやすくなります。
リスク許容度とは|決まる6つの要素と考え方
リスク許容度とは、値下がりなどの損失をどの程度受け入れられるかの度合いです。年齢・収入・保有資産・投資経験・運用の目的や期間・性格など複数の要素で決まり、人によって異なります。
ポートフォリオを組む前に押さえておきたいのが、自分自身の「リスク許容度」です。同じ商品に投資していても、値下がり時に平常心を保てる人もいれば、大きな不安を感じてしまう人もいます。この違いを生む主な要素は次のとおりです。
- 年齢:運用できる期間の長さに関わります
- 収入:投資に回せる余裕資金の大きさに関わります
- 保有資産:現在の貯蓄や資産の状況に関わります
- 投資経験:値動きに対する心理的な耐性に関わります
- 運用の目的や期間:いつ・何のために使うお金かに関わります
- 本人の性格:値下がり時にどの程度冷静でいられるかに関わります
💡 一般的な考え方として、年齢が上がるほどリスク資産の比率を下げる方が多いとされます。株式比率の目安を「100−年齢(%)」とする考え方もありますが、これはあくまで一例であり、実際の配分は収入や資産状況、性格なども踏まえて検討することが大切です。
ポートフォリオの作り方|自分に合う配分を決める3ステップ
自分に合うポートフォリオは、①リスク許容度を把握する、②資産配分(アセットアロケーション)を決める、③商品を選び定期的に見直す、という3つのステップで組み立てていくと考えやすくなります。
- リスク許容度を把握する:年齢・収入・資産状況・投資経験・運用目的や期間・性格などを整理し、どの程度の値下がりまで受け入れられるかを考えます。
- 資産配分(アセットアロケーション)を決める:株式・債券・現金などの比率、国内・海外の比率をリスク許容度に応じて決めます。
- 商品を選び、定期的に見直す:決めた配分に沿って投資信託などの商品を選び、値動きで比率が崩れたら見直し(リバランス)を行います。
ポートフォリオとは、こうして組み合わせた資産の一覧・組み合わせそのものを指す言葉です。一度作って終わりではなく、ライフステージの変化に応じて見直していく前提で考えることが、長期の資産形成では重要になります。
アセットアロケーションが運用成果を左右する理由
アセットアロケーション(資産配分)は、長期の運用成果に大きく影響するとされています。個別銘柄をどう選ぶかより先に、資産配分の設計を優先して考えることが大切です。
「どの銘柄が値上がりするか」に注目しがちですが、長期で見た運用成果は、個別の銘柄選びよりも株式・債券・現金などの配分比率であるアセットアロケーションによって左右される部分が大きいとされています。年代別のリスク資産比率の目安は、次のように整理されることがあります。
| 年代 | リスク資産(株式等)比率の目安 | 考え方の一例 |
|---|---|---|
| 20代〜30代 | 70〜80%程度 | 運用期間を長く取りやすく、値下がりからの回復を待ちやすい |
| 40代〜50代 | 50〜60%程度 | 教育費・住宅費など支出増と資産形成のバランスを意識する時期 |
| 60代以降 | 30〜40%程度 | 取り崩しが視野に入り、値下がり時の影響を抑える配分に近づける |
※上記は「100−年齢(%)」という考え方をもとにした一例・目安であり、実際の配分は年齢だけでなくリスク許容度や資産状況、運用の目的によって異なります。
事例で見るリスク許容度別ポートフォリオ|A・B・Cさんの場合
リスク許容度は人によって異なるため、同じ年代でもポートフォリオの中身は変わります。ここでは匿名の事例(内容は一部変更しています)をもとに、配分の考え方をご紹介します。
Aさん(30代・会社員)
運用期間を長く取れることに加え、値動きに動じにくい性格だったため、リスク許容度は高めと判断。新NISAのつみたて投資枠を中心に、内外の株式に厚めに配分するポートフォリオを選択しました。
Bさん(40代・会社員、教育費準備中)
数年内に子どもの教育費として使う予定の資金があり、目的や期間の異なる資金が混在。リスク許容度は中程度と考え、株式と債券をおおむね半々に近づけたバランス型のアセットアロケーションにしました。
Cさん(60代・退職を控える)
退職金の運用先を検討する中で、当初は成長性を重視して株式比率を高めに設定。しかし相場下落局面で評価額が大きく動いたことに不安を感じ、ご自身のリスク許容度に見合った配分へ見直しを行いました。
新NISAで実践する長期積立分散投資
新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)は運用益が非課税となる制度で、長期積立分散による資産形成を行いやすい仕組みです。金融庁も長期・積立・分散を基本的な考え方として発信しています。
新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠という2つの枠を組み合わせて利用でき、非課税で長期にわたり分散投資を続けやすい制度です。時間の分散(積立)と、商品選びによる資産・地域の分散を組み合わせることで、長期積立分散の考え方を実践しやすくなります。
ただし、新NISAを利用していても投資である以上、値下がりによって元本割れとなる可能性はあります。非課税というメリットと、値動きのリスクがある点は分けて理解しておくことが大切です。
出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/)、金融庁「投資の基本(長期・積立・分散)」(https://www.fsa.go.jp/)
リバランスとは|アセットアロケーションを保つ定期メンテナンス
リバランスとは、値上がり・値下がりによって崩れた資産配分の比率を、当初決めた配分に戻す作業です。定期的に行うことで、リスクを取り過ぎない運用を保ちやすくなります。
ポートフォリオを組んだ直後は意図した配分でも、株式が値上がりを続ければ株式比率が想定より高まり、結果としてリスク許容度に対して取り過ぎたリスクを抱えてしまうことがあります。反対に値下がりが続けば、当初想定していたよりも守りの配分に偏ることもあります。
リバランスの方法としては、値上がりした資産の一部を売却して値下がりした資産を買い増す方法や、新たに積み立てる資金の配分を調整して比率を近づけていく方法などがあります。年1回など、あらかじめ確認するタイミングを決めておくと取り組みやすくなります。
分散投資のよくある誤解|リスクはゼロにならない
分散投資は値動きのリスクを抑える工夫であり、リスクをなくす方法ではありません。分散していても、相場全体が下落する局面では元本割れとなる可能性があります。
⚠️ 分散投資をしていても、相場全体が下落する局面では資産全体の評価額が下がることがあります。分散は「リスクを抑える工夫」であって、「リスクをなくす保証」ではない点に留意が必要です。
また、投資信託を複数本保有していても、中身の資産や地域が似ていれば実質的な分散効果は限定的です。銘柄数や本数を増やすことよりも、資産・地域・時間の軸で内容が重なっていないかを確認することが大切です。
税務上の取り扱いや制度の詳細は変更される場合があるため、最新の情報は金融庁の公式ページでご確認いただくとともに、個別の税務についてご不明な点があれば税理士など専門家へのご相談もあわせてご検討ください。
分散投資の軸やリスク許容度の考え方を押さえたうえで、ご自身に合うポートフォリオをどう組み立てるかは、資産状況やライフプランによっても変わってきます。FPisでは資産運用の方針づくりやポートフォリオのご相談を承っております。ご興味のある方はお問い合わせページよりお気軽にご連絡ください。
分散投資って結局、何をどう分ければいいの?
リスク許容度は自分でどう調べればいいの?
ポートフォリオは一度作ったら放っておいていいの?
新NISAだけで分散投資はできるの?
投資信託は何本くらい持てば分散になるの?
若いうちはリスクを取ったほうがいいの?
年代別のリスク資産比率に決まりはあるの?
リバランスってどのくらいの頻度でやればいいの?
分散投資をしていれば元本割れはしないの?
自分に合うポートフォリオが分からないときはどうすればいい?
東京・渋谷のFP事務所FPisが選ばれる理由
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とりわけ印象に残っているのが、ご家族への寄り添いサポートです。複雑な手続きを一緒に進めてさしあげると「本当に助かりました」と感謝の言葉をいただきました。「お客様の役に立てる喜び」——その体験が石田の原点です。
2025年3月末に第一生命を退社し、翌4月1日にFPis(エフピス)の看板を掲げました。
📰 出典:「第一生命『黒字リストラ』1000人募集に約2倍応募」(日経BP / Human Capital Online)
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