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医療費控除の申告方法とは?対象・セルフメディケーション税制も解説

医療費控除の申告方法とは?対象・セルフメディケーション税制もFPが解説

「1年間の医療費が思ったよりかさんだけれど、医療費控除って結局いくら戻るの?」「ドラッグストアで買った市販薬は対象になる?」——確定申告の時期になると、こうしたご相談が当事務所にも多く寄せられます。医療費控除と、その特例であるセルフメディケーション税制は、正しく申告すれば納めすぎた税金が還付される可能性のある制度です。この記事では、対象になるもの・ならないもの、控除額の考え方、申告手順、そして2つの制度の選び方まで、FP事務所FPisがやさしく整理します。なお税制は改正されることがあり、金額基準など具体的な数値は一般的な目安として示します。最新の要件・金額は国税庁のサイトでご確認ください。

石田健雄 FP事務所FPis代表

監修:石田 健雄(FP事務所FPis代表)

CFP1級FP技能士第一生命35年独立系FP

この記事のポイント(Key Takeaways)

  1. 医療費控除は、1年間(1月〜12月)に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた分を所得から差し引ける所得控除です。
  2. 会社員でも年末調整では手続きできず、医療費控除・セルフメディケーション税制はどちらも確定申告が必要です。
  3. セルフメディケーション税制は対象の市販薬(OTC医薬品)を対象とする特例で、医療費控除とはどちらか一方を選択して適用します。
  4. 申告には「医療費控除の明細書」が必要で、e-Taxを使えばオンラインで完結できます。控除により税金が戻る(還付される)場合があります。
  5. 金額基準・上限・対象品目は改正されることがあります。具体的な数値は目安とし、最新は国税庁でご確認ください。

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医療費控除とは?仕組みと対象になる費用・ならない費用

医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えたとき、その超過分を所得から差し引ける所得控除です。本人だけでなく生計を一にする家族分も合算でき、確定申告で申請します。

医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費が一定の金額を超えた場合に、超えた部分を所得から差し引ける「所得控除」の一つです。所得が減ることで、所得税・住民税の負担が軽くなり、すでに納めた所得税があれば還付につながる可能性があります。

ポイントは「支払った医療費がまるごと戻る」わけではないという点です。あくまで課税対象となる所得を減らす仕組みであり、戻る金額はその人の所得や税率によって変わります。ここを誤解されている方が非常に多いので、まず押さえておきたい基本です。

医療費控除の対象になるもの・ならないもの

「治療のために必要な支出かどうか」が大きな判断基準です。美容目的や健康増進・予防のための支出は、原則として対象になりません。代表的な例を一覧にまとめます(記事執筆時点の一般的な取り扱いであり、個別判断は税務署・税理士にご確認ください)。

対象になりやすいもの(例) 対象になりにくいもの(例)
病院・診療所での診察・治療費、入院費 健康診断・人間ドックの費用(※異常が見つかり治療した場合は対象になることも)
治療のための医薬品の購入費 ビタミン剤・サプリなど健康増進・予防目的のもの
治療目的の歯の治療費、子どもの歯列矯正 美容目的の歯列矯正・審美目的の施術
通院のための公共交通機関の交通費 自家用車のガソリン代・駐車場代、里帰り出産の帰省費用
医師の指示による在宅療養・訪問看護の費用 差額ベッド代(自己都合による個室希望など)
治療に必要な松葉づえ・義手義足・補聴器等(要件あり) 近視・遠視のための通常のメガネ・コンタクト

ご注意:上表は一般的な例であり、同じ費目でも目的や状況によって取り扱いが変わります。たとえば健康診断は原則対象外ですが、その結果重大な病気が見つかり引き続き治療を受けた場合は対象になることがあります。判断に迷う費目は、国税庁のタックスアンサーや税務署でご確認ください。

控除額の考え方|「いくら超えたら対象」かの目安

医療費控除額は、支払った医療費から保険金などの補てん額を差し引き、さらに一定の足切り額を引いて計算します。足切り額の目安は10万円ですが、所得が少ない方は基準が下がる場合があります。

医療費控除額の計算は、おおまかに次の流れで考えます。

医療費控除額(目安)=
(1年間に支払った医療費の合計)-(保険金などで補てんされる金額)-(一定の足切り額)

「保険金などで補てんされる金額」とは、生命保険の入院給付金や、健康保険から支給される高額療養費・出産育児一時金などを指します。これらは支払った医療費から差し引く必要があります。差し引くのは、あくまでその給付の対象となった医療費からで、引ききれない場合に他の医療費から差し引く必要はありません。

「一定の足切り額」は、一般的な目安として10万円とされています。ただし、その年の総所得金額等が一定額に満たない方は、総所得金額等の5%が基準となり、10万円より低い金額から対象になる場合があります。つまり所得が少ない方ほど、少ない医療費でも控除を受けられる可能性があります。

金額はあくまで目安です:足切り額(10万円・総所得の5%)や医療費控除の上限額(一般的な目安として200万円)といった数値は、税制改正で変わる可能性があります。本記事の数値は記事執筆時点の一般的なものです。ご自身に当てはまる正確な基準・上限は、国税庁およびe-Taxでご確認ください。

医療費が年20万円。共働き世帯のAさんの場合

会社員のAさん(40代)は、その年に家族分を合わせて医療費を合計20万円ほど支払いました。うち保険会社から入院給付金が3万円支給されています。この場合、20万円-3万円=17万円から足切り額(目安10万円)を差し引くイメージで、控除の対象になり得ます。「戻る税額」はAさんの税率によって決まるため、実際の還付額は人により異なります。

※制度理解のための一般的なイメージです。実際の可否・金額は要件・所得により異なります。

セルフメディケーション税制とは?対象OTCと選択適用

セルフメディケーション税制は、対象の市販薬(スイッチOTC等)の購入費が一定額を超えた場合に使える医療費控除の特例です。医療費控除とはどちらか一方の選択適用となります。

セルフメディケーション税制は、健康の維持増進や病気の予防のために一定の取り組み(健康診断やインフルエンザの予防接種など)を行っている人が、対象の市販薬を購入した場合に利用できる医療費控除の特例です。ドラッグストアなどで市販薬をよく購入する方に向いた制度といえます。

対象となるのは、いわゆるスイッチOTC医薬品などの指定された市販薬です。対象商品にはパッケージやレシートに識別マークが記載されていることが多く、対象品目のリストは厚生労働省・国税庁で公表されています。対象品目は見直されることがあるため、購入時のレシートは大切に保管しておきましょう。

控除額は、対象医薬品の年間購入額から一定額(一般的な目安として1万2千円)を差し引いた金額で、上限額の目安は8万8千円です。こちらも数値は目安であり、最新は国税庁でご確認ください。

重要:どちらか一方だけ:セルフメディケーション税制と通常の医療費控除は、同じ年に両方を同時に使うことはできません。どちらか有利な方を選んで申告します。一度選んで申告すると、後からもう一方へ変更できない場合があるため、申告前にどちらが有利か試算することをおすすめします。

医療費控除とセルフメディケーション税制、どちらを選ぶ?

医療費全体が大きい年は通常の医療費控除、市販薬中心で医療費が控除ラインに届かない年はセルフメディケーション税制が有利になりやすい傾向です。両方試算して比較するのが確実です。

選び方の基本的な考え方は「どちらのほうが控除額が大きくなるか」です。入院や手術などで医療費全体が大きい年は通常の医療費控除、大きな医療費はないが対象市販薬をそれなりに購入した年はセルフメディケーション税制が候補になります。両制度の違いを整理します。

比較項目 医療費控除(通常) セルフメディケーション税制
対象となる主な支出 治療のための医療費全般(診察・入院・薬など) 対象の市販薬(スイッチOTC等)の購入費
控除が始まる目安 年間の医療費が概ね10万円超(または総所得の5%超) 対象市販薬が年間1万2千円超(目安)
控除額の上限(目安) 200万円 8万8千円
健康への取り組み要件 なし あり(健診・予防接種など)
併用 同一年に両方の併用は不可(どちらか選択)

大きな入院がなかったBさんご夫婦の場合

共働きのBさんご夫婦(50代)は、その年に大きな入院や手術はなく、通院と市販薬が中心でした。医療費の合計は足切りラインの10万円に届きませんでしたが、対象の市販薬を年間2万円ほど購入していたため、セルフメディケーション税制を検討する余地がありました。「医療費控除は無理でも、特例なら対象になるかも」と気づけたケースです。

※一般的なイメージであり、適用可否は要件・購入品目により異なります。

迷ったときは、レシートを分けて集計し、両方のパターンで控除額を計算してみると比較しやすくなります。当事務所では、どちらが有利かの試算や家計全体を踏まえたアドバイスも承っています。

申告手順|明細書の作成から確定申告・e-Tax・還付まで

医療費控除は「医療費控除の明細書」を作成し、確定申告で申請します。会社員も年末調整では手続きできません。e-Taxならオンラインで完結し、還付は指定口座へ振り込まれます。

会社員の方も含め、医療費控除・セルフメディケーション税制は確定申告が必要です。年末調整では手続きできない点に注意してください。おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 1年分の領収書・レシートを集める:本人分・生計を一にする家族分をまとめ、対象・対象外を仕分けします。
  2. 「医療費控除の明細書」を作成する:医療を受けた人・支払先ごとに、医療費の金額や補てん額を記入します。健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ(医療費通知)」を活用すると記入を省略できる場合があります。
  3. 確定申告書を作成する:源泉徴収票などをもとに、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフトで作成します。
  4. 提出する:e-Taxによるオンライン提出、または税務署への郵送・持参で申告します。マイナンバーカードがあればe-Taxがスムーズです。
  5. 還付を受ける:納めすぎた所得税があれば、申告後に指定した金融機関の口座へ還付金が振り込まれます。

領収書は捨てないで:現在は領収書の提出は原則不要ですが、明細書の記入内容を確認するため、領収書は一定期間(一般的な目安として5年間)自宅で保管する必要があります。税務署から求められたときに提示・提出できるようにしておきましょう。

還付を目的とする申告(還付申告)は、対象となる年の翌年1月から一定期間(一般的な目安として5年間)行える場合があります。「去年出し忘れた」というケースでも、さかのぼって申告できる可能性があります。詳しい期限は国税庁でご確認ください。

よくある誤解と注意点

「支払った医療費が全額戻る」「年末調整でできる」「10万円を超えないと使えない」などは、いずれも正確ではありません。誤解しやすいポイントを整理します。

誤解①「払った医療費が全額戻る」
医療費控除は所得控除であり、戻るのは医療費そのものではなく、控除によって減った税額分です。実際の還付額は所得や税率で変わります。

誤解②「会社員は年末調整で処理できる」
医療費控除・セルフメディケーション税制は年末調整の対象外です。会社員でも確定申告が必要です。

誤解③「10万円を超えないと使えない」
足切り額は総所得金額等が少ない方だと総所得の5%となり、10万円未満でも対象になり得ます。金額基準は目安であり、最新は国税庁でご確認ください。

誤解④「保険金は関係ない」
入院給付金や高額療養費など補てんされる金額は、支払った医療費から差し引いて計算します。差し引き忘れは申告誤りの原因になります。

生計を一にする家族分は合算できる

医療費控除は、本人だけでなく「生計を一にする」配偶者や親族の医療費も合算できます。同居していなくても仕送りをしている場合などは対象になり得ます。

医療費控除の大きな特徴は、「生計を一にする」配偶者やその他の親族のために支払った医療費も合算して申告できる点です。共働き世帯や、離れて暮らす親に仕送りをしているケースでも、実際に医療費を負担していれば合算できる場合があります。

「生計を一にする」とは、同居のみを意味するわけではありません。単身赴任や進学で別居していても、生活費や療養費を送金しているなど、日常の生活の資を共にしていると認められれば該当し得ます。

また、家族分を合算するときは、誰が申告するかも検討ポイントです。一般に、所得が高く税率の高い人が申告したほうが軽減される税額が大きくなる傾向があります。ただし、所得が少ない方は足切り額が下がる(総所得の5%)ため一概には言えず、世帯全体で試算するのが確実です。

離れて暮らす母の医療費を負担するCさんの場合

Cさん(50代)は、別居する母へ毎月仕送りをしており、母の通院費や薬代も負担していました。生計を一にしていると認められれば、母の医療費もCさんの医療費控除に合算できる可能性があります。家族全体の医療費を一人にまとめることで、控除ラインに届くこともあります。

※適用可否は「生計を一にする」の判定や負担実態によります。判断に迷う場合は税務署・税理士へご相談ください。

よくある質問(FAQ)

医療費控除は会社員でも使える?
はい。会社員でも利用できますが、年末調整では手続きできず、ご自身で確定申告する必要があります。
市販薬は医療費控除の対象になる?
治療のための市販薬は通常の医療費控除の対象になり得ます。対象の市販薬(スイッチOTC等)はセルフメディケーション税制の対象にもなりますが、両制度の併用はできず、どちらかを選択します。
医療費控除とセルフメディケーション税制は両方使える?
同じ年に両方を使うことはできません。どちらか有利なほうを選んで申告します。迷う場合は両方で試算して比較しましょう。
いくら医療費がかかれば対象になる?
一般的な目安として年間10万円を超えた分が対象です。ただし総所得金額等が少ない方は総所得の5%が基準となる場合があります。最新の基準は国税庁でご確認ください。
交通費は医療費控除に含められる?
通院のための公共交通機関の交通費は対象になり得ます。一方、自家用車のガソリン代や駐車場代は原則対象外です。
健康診断や人間ドックの費用は対象?
原則として対象外です。ただし検査で重大な病気が見つかり、そのまま治療を受けた場合は対象になることがあります。
家族の医療費もまとめて申告できる?
生計を一にする配偶者や親族の医療費であれば合算できます。別居でも仕送りをしているなど生計が一と認められれば対象になり得ます。
領収書は提出しないといけない?
現在は「医療費控除の明細書」を提出すれば、領収書の提出は原則不要です。ただし一定期間(目安として5年間)はご自宅での保管が必要です。
去年の分を申告し忘れた場合は?
還付申告は一定期間(一般的な目安として5年間)さかのぼって行える場合があります。詳しい期限は国税庁でご確認ください。
還付金はいつ・どうやって受け取れる?
申告後、指定した金融機関の口座に振り込まれます。時期は提出方法や時期により異なり、e-Taxのほうが早い傾向があります。

東京・渋谷のFP事務所FPisが選ばれる理由

FP事務所FPis(エフピス)は、東京都渋谷区に拠点を置く独立系FP事務所です。代表の石田健雄は第一生命に35年勤務し、100世帯超のお客様のお金の課題に向き合ってきた実績を持ちます。FP相談・保険・証券をワンストップで提供します。

石田健雄 FP事務所FPis代表

石田 健雄(いしだ たけお)|FP事務所FPis代表

CFP・1級FP技能士。第一生命に35年間勤務後、2025年4月に独立開業。100世帯超のライフプラン・保険・資産運用・相続をサポート。渋谷区渋谷2-19-19 ワコー宮益坂ビル5階。対面・オンライン・LINE・電話で対応。

対応エリア:東京都渋谷区周辺・首都圏全域(オンライン可)

日経BP(日経ビジネス Human Capital)に取材掲載

「70歳まで働き続けたい。
だからこそ、今このタイミングで独立するべきだ」

石田は第一生命に35年間勤め、本社所属のFPとして多くのお客様に向き合ってきました。40代で個人向け営業の最前線に立った4年間は「会社人生で最も充実していた」と振り返るほど手応えのある日々でした。

とりわけ印象に残っているのが、ご家族への寄り添いサポートです。複雑な手続きを一緒に進めてさしあげると「本当に助かりました」と感謝の言葉をいただきました。「お客様の役に立てる喜び」——その体験が石田の原点です。

2025年3月末に第一生命を退社し、翌4月1日にFPis(エフピス)の看板を掲げました。

📰 出典:「第一生命『黒字リストラ』1000人募集に約2倍応募」(日経BP / Human Capital Online)

FPisが提供できる5つの強み

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📍 FP事務所FPis(エフピス)
東京都渋谷区渋谷2-19-19 ワコー宮益坂ビル5階(渋谷駅・宮益坂口から徒歩約5分)
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