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おひとりさまの住まいを50代で決める|賃貸と持ち家の判断軸

おひとりさまの住まいを50代で決める|賃貸と持ち家の判断軸

「このまま賃貸でいいのかな」——ひとりで暮らしている50代の方から、ある時期を境にこの言葉が出てくるようになります。きっかけは更新の通知だったり、親の住まいの整理だったり、同年代の知人が家を買った話だったりします。いま困っているわけではないのに、この先ずっとこのままでよいのかが分からない。この記事では、賃貸と持ち家のどちらが正しいかではなく、何を基準に決めればよいかを整理します。

石田健雄 FP事務所FPis代表

石田 健雄(いしだ たけお)|FP事務所FPis代表/CFP・1級FP技能士

CFP1級FP技能士渋谷区独立系FP

📌 この記事の要点

  1. 住まいの選択は費用の比較だけでは決まらない。手続きの通りやすさと、住み続けられるかどうかが同じくらい効く
  2. 高齢期の賃貸では保証人・緊急連絡先・入居審査が実際の壁になることがある。制度上の支援も用意されている
  3. 持ち家は住居費が読みやすくなる一方、修繕・管理費・固定資産税・将来の処分という別の負担が続く
  4. 判断の起点は「80歳のときに、ここで暮らしているか」という問い。年数で考えると答えが出やすい
  5. 50代のうちに動くほうが選択肢は広い。住宅ローンの審査も、住み替え先の選択も、年齢が影響する
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おひとりさまの住まいが、50代で気になり始める理由

ひとりで暮らす50代の方が住まいを気にし始めるのは、いま不便だからではなく、この先の見通しが立たないからです。賃貸の更新がいつまで続けられるか、持ち家に住み替えるとしたら年齢的にいつまで可能か。時間の制約が見えてくる時期にあたります。

ご相談の場でうかがっていると、きっかけは似通っています。

  • 賃貸の更新通知:「あと何回、この通知を受け取るんだろう」と考えた
  • 親の住まいの整理:実家を片づけながら、自分の住まいのことを考えた
  • 同年代の話:知人が家を買った、あるいは住み替えたと聞いた
  • 健康の変化:階段がつらくなった、駅からの距離が気になり始めた

共通しているのは、いま困っているわけではないという点です。困っていないからこそ、決め手がなく、先送りになります。

💡 ただし、先送りには期限があります。住宅ローンを組むなら完済年齢の制約があり、賃貸の入居審査も年齢が上がるほど通りにくくなる傾向があります。50代は、まだ両方が選べる時期です。

ひとりだからこその難しさ

Hさん(54歳・独身)は「相談する相手がいないのがいちばん困る」とおっしゃいました。夫婦であれば、少なくとも意見をすり合わせる過程で論点が整理されます。ひとりの場合、考えが同じところをぐるぐる回りやすいのです。

紙に書き出す、誰かに話す。それだけでも、判断は進みます。

賃貸を続ける場合に、実際に起きること

高齢期の賃貸で問題になりやすいのは、家賃そのものより入居審査です。連帯保証人を求められる、緊急連絡先が必要になる、年齢を理由に断られるといったことが起こります。一方で、家賃債務保証や自治体の居住支援など、対応する仕組みも整えられてきています。

賃貸には、身軽さという明確な利点があります。生活の変化に合わせて住み替えられ、修繕の負担も負いません。問題は、借り続けられるかどうかです。

高齢期の入居で壁になりやすいこと

壁になること 内容 対応の方向
連帯保証人 親族に頼めない、頼みたくない 家賃債務保証会社の利用
緊急連絡先 連絡先として書ける人がいない 身元保証サービス、支援団体
入居審査 年齢や収入を理由に断られる 高齢者の入居を拒まない住宅を探す
更新の可否 普通借家か定期借家かで扱いが違う 契約の種類を確認しておく

用意されている仕組み

国土交通省の制度として、高齢者などの入居を拒まない賃貸住宅(セーフティネット住宅)の登録制度があります。また、都道府県や市区町村が居住支援協議会を設けて、住まい探しの相談や保証会社の紹介を行っている地域もあります。

「断られるかもしれない」と考えて動かないよりも、先に選択肢を知っておくほうが、実際の負担は軽くなります

💡 いま調べておく価値があるのは、住んでいる自治体の窓口です。必要になってから探すと、時間の余裕がないなかで選ぶことになります。

出典:国土交通省「住宅確保要配慮者向け賃貸住宅(セーフティネット住宅)」

持ち家を選ぶ場合に、続く負担

持ち家にすると住居費の見通しは立てやすくなりますが、負担がなくなるわけではありません。マンションの管理費と修繕積立金、固定資産税、設備の更新、そして将来その家をどうするかという問題が続きます。金額だけでなく、対応する手間も含めて考えます。

持ち家の利点は分かりやすいものです。更新の心配がなく、家賃という形での支出が止まります。審査に通るかどうかを気にしなくてよいのも大きな安心です。

止まらない支出

  • 管理費・修繕積立金(マンション):毎月かかり続けます。築年数が進むと修繕積立金は上がることがあります
  • 固定資産税・都市計画税:毎年かかります
  • 設備の更新:給湯器、エアコン、水回り。10〜15年周期で出てきます
  • 火災保険・地震保険:自分で加入・更新します

これらを足すと、家賃ほどではないにせよ、まとまった額が続きます。「持ち家なら住居費ゼロ」という理解は、実際とは違います。

ひとりの持ち家に特有の問題

ひとりで持ち家を持つ場合、その家を最後にどうするかという問題が残ります。

場面 起きること 先に決めておけること
施設に移るとき 売却か賃貸かの判断が必要 判断できる状態のうちに方針を決める
判断が難しくなったとき 本人以外は売却できない 任意後見、家族信託などの備え
亡くなったあと 相続人が処分することになる 遺言、相続人の確認

⚠️ ひとりの持ち家でいちばん見落とされやすいのは、判断が難しくなったときの扱いです。不動産は本人でなければ売却できません。備えがないと、施設の費用が必要なのに家を換金できないという状態が起こり得ます。

費用で比べるときの並べ方

賃貸と持ち家を費用で比べるときは、月々の支払いではなく、80歳や90歳までにかかる総額で並べます。賃貸は家賃と更新料、持ち家は購入費に加えて管理費・修繕・税金を積み上げます。どちらも一定の前提を置いた試算になります。

比較そのものは、条件をそろえれば計算できます。大事なのは、比べる期間を長くとることです。

比べる項目

賃貸 持ち家(マンション)
初期 敷金・礼金・仲介手数料 頭金・諸費用・登記費用
毎月 家賃・共益費 ローン返済・管理費・修繕積立金
毎年 —(更新料は数年ごと) 固定資産税・都市計画税・保険
臨時 更新料・住み替え費用 設備更新・大規模修繕の一時金
最後 売却または相続。価値は読めない

試算の前提を書いておく

試算するときは、置いた前提を紙に残してください。家賃が変わらない前提なのか、修繕積立金が上がる前提なのか。前提を書いておくと、あとから状況が変わったときに数字を入れ替えるだけで済みます。

💡 Iさん(56歳)は、90歳までの総額で並べたところ、差額が想定より小さいことに気づきました。「どちらが得かで決めようとしていたけれど、そんなに差がないなら、暮らしやすさで決めていいんだと思えました」。数字を出す意味は、答えを出すことだけではありません。

費用以外の判断軸

住まいの選択は費用だけでは決まりません。手続きの通りやすさ、体力が落ちたときの暮らしやすさ、人とのつながり、そして自分で決められるうちに決めておきたいという気持ち。これらは金額に換算できませんが、判断を左右します。

費用の比較で差が小さいとき、決め手になるのは別のところです。

4つの軸で自分に当てはめる

  • 手続きの通りやすさ:年齢が上がったときに、借りる・買うの手続きが自分で通せそうか
  • 暮らしやすさ:階段、駅からの距離、買い物と病院への行きやすさ。いまではなく、体力が落ちたときの基準で見ます
  • 人とのつながり:知っている人がいる場所か。ひとり暮らしでは、地域とのつながりが安全に直結します
  • 自分で決められること:判断できるうちに決めておきたいか、状況に合わせて動きたいか

💡 いちばん役に立つ問いはこれです:「80歳のとき、自分はどこで暮らしていると思いますか」。年齢を具体的に置くと、いまの住まいで続けられるかどうかが見えてきます。答えが出なくても、考えた時間そのものが次の判断につながります。

「決めない」も選択肢のひとつ

いま決めなければならない理由がなければ、決めないという判断もあります。ただしその場合も、「いつまでに決めるか」だけは置いておくことをお勧めします。60歳、65歳といった区切りに紐づけると、忘れずに済みます。

住み替えるなら、50代のうちにできること

住み替えを考えるなら、50代のうちに動くほうが選択肢は広く残ります。住宅ローンは完済年齢の制約があり、賃貸の入居審査も年齢が上がるほど厳しくなる傾向があります。同時に、荷物を減らす作業にも時間が要ります。

住み替えを選ぶ場合、年齢は選択肢の幅に直接効きます

年齢が影響すること

項目 年齢の影響
住宅ローン 完済年齢の上限がある。借りられる期間が短くなると、月々の返済額が上がる
賃貸の入居審査 高齢になるほど選べる物件が減る傾向がある
引っ越しの体力 荷物の整理と移動は、想像以上に体力を使う
新しい環境への慣れ 地域とのつながりをつくり直すには時間が要る

先にできること

  1. 荷物を減らす:住み替えるかどうかに関係なく効きます。判断の負担が減ります
  2. いまの住まいの条件を書き出す:気に入っている点、不便な点を分けて書きます
  3. 候補の地域を歩いてみる:平日の昼と休日の夜では、街の顔が違います
  4. 資金の目処を立てる:手元の資産、退職金の見込み、年金の見込額を並べます

💡 1つ目は、いますぐ始められます。荷物が減ると、住み替えるにしても、いまの家で暮らし続けるにしても、楽になります。どちらに決めても無駄にならない準備から手をつけるのが、いちばん進みやすい方法です。

住まいと一緒に決めておきたいこと

ひとりで暮らす場合、住まいの決定は身元保証や医療の意思表示といった備えとつながっています。入居審査で緊急連絡先を求められる、入院時に手続きを頼む相手が要るなど、住まいの選択が他の準備を引き寄せます。

おひとりさまの住まいを考えていくと、たいてい「誰に頼むか」という問いに行き当たります

住まいとつながっている備え

  • 緊急連絡先:賃貸の入居時にも、入院時にも求められます
  • 身元保証:施設への入居や入院の際に必要になることがあります
  • 判断が難しくなったときの備え:任意後見契約など。不動産の処分にも関わります
  • 死後の手続き:住まいの引き渡し、家財の整理を誰が行うか

これらは住まいとは別のテーマに見えますが、実際には同じ場面で必要になります

💡 全部を一度に決める必要はありません。住まいを考えたついでに、「これも要るな」とメモしておくだけでも違います。順番に片づけていけば済みます。

ご相談の場で行っていること

FPis(エフピス)では、住まいのご相談をいただいたとき、費用の試算と一緒に、これらの備えの状況もうかがっています。住まいだけを切り離して決めると、あとで別の手当てが必要になることが多いためです。

「まだ何も決まっていない」段階でも構いません。並べるところからご一緒します。

よくある質問

ひとり暮らしの住まいについて、ご相談の場でよくいただく質問をまとめました。賃貸を続けられるかどうかと、持ち家の負担に関するものが中心です。

高齢になると賃貸は借りにくくなりますか?
年齢を理由に選べる物件が減る傾向はあります。一方で、高齢者の入居を拒まない住宅の登録制度や、自治体の居住支援の仕組みも用意されています。
連帯保証人を頼める人がいません。どうすればよいですか?
家賃債務保証会社を利用する方法があります。物件によっては保証会社の利用が前提になっているところもあります。
緊急連絡先に書ける人がいない場合は?
身元保証サービスや支援団体を利用する方法があります。契約内容と費用に幅があるため、複数を比べてご確認ください。
持ち家なら住居費はかからなくなりますか?
かからなくなるわけではありません。管理費・修繕積立金・固定資産税・設備の更新が続きます。
ひとりで家を買うとき、いちばん注意することは何ですか?
判断が難しくなったときに、その家を換金できるかどうかです。不動産は本人でないと売却できないため、事前の備えが要ります。
賃貸と持ち家、費用ではどちらが有利ですか?
置く前提によって変わります。80歳や90歳までの総額で並べると、差が思ったより小さいこともあります。
住み替えを考えるなら、何歳までがよいですか?
決まった年齢はありませんが、住宅ローンの完済年齢や入居審査の通りやすさを考えると、50代のうちのほうが選択肢は広く残ります。
いま決められません。それでも大丈夫ですか?
決めないという判断もあります。ただし「いつまでに決めるか」だけは置いておくと、先送りが続きにくくなります。
何から始めればよいですか?
荷物を減らすことです。住み替えるにしても住み続けるにしても効くため、どちらに決めても無駄になりません。
相談するとしたら、何を持っていけばよいですか?
いまの住居費、手元の資産、ねんきん定期便の3つがあれば十分です。足りない分はその場で整理できます。

東京・渋谷のFP事務所FPisが選ばれる理由

FP事務所FPis(エフピス)は、東京都渋谷区に拠点を置く独立系のFP事務所です。代表の石田健雄は第一生命に35年勤務したのち、2025年4月に独立しました。おひとりさまの住まいについては、費用の試算と身元保証などの備えを合わせて整理しています。

石田健雄 FP事務所FPis代表

石田 健雄(いしだ たけお)|FP事務所FPis代表

CFP・1級FP技能士。第一生命に35年間勤務後、2025年4月に独立開業。ライフプラン・保険・資産運用・相続のご相談に対応しています。渋谷区渋谷2-19-19 ワコー宮益坂ビル5階。対面・オンライン・LINE・電話で対応。

対応エリア:東京都渋谷区周辺・首都圏全域(オンライン可)

日経BP(日経ビジネス Human Capital)に取材掲載

「70歳まで働き続けたい。
だからこそ、今このタイミングで独立するべきだ」

石田は第一生命に35年間勤め、本社所属のFPとして多くのお客様に向き合ってきました。40代で個人向け営業の最前線に立った4年間は「会社人生で最も充実していた」と振り返るほど手応えのある日々でした。

とりわけ印象に残っているのが、ご家族への寄り添いサポートです。複雑な手続きを一緒に進めてさしあげると「本当に助かりました」と感謝の言葉をいただきました。「お客様の役に立てる喜び」——その体験が石田の原点です。

2025年3月末に第一生命を退社し、翌4月1日にFPis(エフピス)の看板を掲げました。

📰 出典:「第一生命『黒字リストラ』1000人募集に約2倍応募」(日経BP / Human Capital Online)

FPisが提供できる5つの強み

  • 独立系のFP事務所:特定の金融機関に雇用されていないため、転勤で担当が変わることがありません
  • 報酬の出どころを開示:いただく報酬がどこから来ているかを「なぜ無料なのか」にすべて書いています
  • ワンストップ対応:FP相談を軸に、商品の取り扱いが必要な場合は石田が所属先の登録を用いて対応します
  • 伴走型の継続サポート:年1回以上のフォローアップで継続的に見直し
  • 専門家ネットワーク:税理士・弁護士・司法書士・不動産コンサルタントとの連携体制

📍 FP事務所FPis(エフピス)
東京都渋谷区渋谷2-19-19 ワコー宮益坂ビル5階(渋谷駅・宮益坂口から徒歩約5分)
対面・オンライン・LINE・電話・メール、すべてに対応。首都圏以外からもオンラインでご相談いただけます。

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