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50代からのお金の棚卸し|散らばった口座をひとつの表にする

50代からのお金の棚卸し|散らばった口座をひとつの表にする

「うちにいくらあるか、正直よく分かっていません」——資産のご相談で、最初にこうおっしゃる方はとても多いのです。使っていない銀行口座、勤務先が変わるたびに増えた証券口座、いつ入ったか思い出せない保険。足りないのではなく、散らばっていて見えない。この記事では、50代のうちにやっておきたいお金の棚卸しの手順を、書き出す項目の順に整理します。

石田健雄 FP事務所FPis代表

石田 健雄(いしだ たけお)|FP事務所FPis代表/CFP・1級FP技能士

CFP1級FP技能士渋谷区独立系FP

📌 この記事の要点

  1. 資産の相談でつまずく理由の多くは、金額の不足ではなく全体が見えていないこと
  2. 書き出すのは預貯金・証券・保険・年金・借入・不動産の6分類。金額より先に「どこにあるか」を並べる
  3. 10年間動きのない口座は休眠預金の対象になり得る。引き出せなくなるわけではないが、手続きが増える
  4. 企業年金や過去の勤務先の制度は忘れられやすい。転職歴がある方は確認する価値がある
  5. 棚卸しは自分のためであると同時に、あとで誰かが見るための備えにもなる
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50代になると、お金の置き場所が散らばっている

50代までに、多くの方は複数の銀行口座、証券口座、保険契約、企業年金を持つことになります。就職、転職、住宅の購入、子どもの進学といった節目ごとに増えていくためです。個々は把握していても、全体を一枚で見たことがある方は多くありません。

散らばるのは、だらしないからではありません。人生の節目ごとに、必要に応じて増えてきた結果です。

どんなふうに増えるか

時期 増えるもの
就職 給与振込口座、財形貯蓄、企業年金、団体保険
結婚・出産 生活費用の口座、学資保険、生命保険
住宅購入 住宅ローンの口座、火災保険、団体信用生命保険
転職 新しい給与口座、企業型DC、旧勤務先の制度の残り
資産形成を始めたとき 証券口座、NISA口座、iDeCo

これを30年繰り返すと、10か所を超えることも珍しくありません

💡 Lさん(55歳)は、棚卸しをしてみたところ、使っていない銀行口座が5つ、残高を把握していなかった証券口座が2つ見つかりました。合計すると、想定より約180万円多くありました。「不足を心配していたのに、見つかったほうがびっくりでした」

見えていないと、判断ができない

資産運用も、住み替えも、退職後の計画も、全体が見えていないと決められません。「たぶんこのくらい」で立てた計画は、途中で作り直すことになります。

棚卸しで書き出す6つの分類

書き出すのは、預貯金、証券・投資信託、保険、年金、借入、不動産の6つです。それぞれについて、どこにあるか、いくらか、連絡先はどこかを並べます。最初から正確な金額を出そうとせず、まず所在を並べるところから始めます。

紙でも表計算ソフトでも構いません。6つの分類で並べます。

1. 預貯金

  • 金融機関名、支店、口座の種類
  • おおよその残高
  • 使っているか、使っていないか

2. 証券・投資信託

  • 証券会社名、口座の種類(一般・特定・NISA)
  • 持っている商品の名前と、おおよその評価額
  • iDeCoの有無と運営管理機関

3. 保険

  • 保険会社名、証券番号、種類(死亡・医療・個人年金など)
  • 保険料と払込期間、満期や解約返戻金の有無
  • 受取人が誰になっているか

4. 年金

  • ねんきん定期便の見込額
  • 企業年金(確定給付・確定拠出)の有無
  • 過去の勤務先の制度が残っていないか

5. 借入

  • 住宅ローンの残高、金利の種類、完済予定
  • その他の借入、カードローンの契約枠

6. 不動産

  • 所在地、名義、持分
  • 実家など、将来関わる可能性のあるもの

💡 金額は後回しでかまいません。まず「どこに何があるか」を並べます。所在が分かれば、金額はあとから調べられます。いちばん時間がかかるのは、思い出す作業です。

使っていない口座をどうするか

長く動きのない口座は、10年を超えると休眠預金として民間公益活動に活用される仕組みの対象になります。預金が消えるわけではなく手続きをすれば引き出せますが、手間が増えます。使わない口座は解約するか、動かしておくかを決めておきます。

使っていない口座があること自体は問題ではありません。ただ、放っておくと手続きが増えます。

休眠預金という仕組み

2009年1月1日以降の取引から10年以上動きのない預金は、休眠預金等活用法にもとづき、預金保険機構に移されて民間公益活動に活用されます。

💡 お金がなくなるわけではありません。休眠預金になったあとも、金融機関で手続きをすれば引き出せます。ただし通常の払い戻しより手続きが増え、時間もかかります。

どうするか決める

状態 選択肢 考えどころ
残高が少なく、使う予定もない 解約する 管理する対象が減る。いちばんすっきりする
残高はあるが使っていない まとめる、または動かす 入出金があれば休眠にはならない
使う予定がある そのまま 目的をメモしておく

まとめるときの目安

口座の数に正解はありませんが、用途で分けると3〜4口座程度に収まることが多くあります。生活費用、貯蓄用、投資用、そして必要なら住宅ローンの引き落とし用です。

⚠️ まとめすぎにも注意してください。金融機関のシステム障害や、災害時の対応を考えると、すべてを1か所に集めないほうが安心です。分散させすぎず、集めすぎず、というあたりが実務的です。

出典:金融庁「休眠預金等活用法」

忘れられやすいのは、年金と過去の勤務先の制度

転職歴がある方は、過去の勤務先の企業年金や確定拠出年金が残っていることがあります。企業型DCは退職後6か月以内に移換の手続きをしないと自動移換され、運用されないまま管理手数料がかかり続けます。棚卸しで確認しておきたい項目です。

棚卸しで最も「見つかる」のが、この領域です。

企業型確定拠出年金(企業型DC)の放置

企業型DCに加入していた方が退職したあと、6か月以内に移換の手続きをしないと、国民年金基金連合会に自動移換されます。自動移換された資産は運用されず、その間も管理の手数料がかかります。また、自動移換されている期間は老齢給付金の受給に必要な期間に算入されません

⚠️ 転職経験があり、企業型DCに入っていた記憶がある方は、国民年金基金連合会の記録を確認する価値があります。「手続きした覚えがない」場合は、自動移換されている可能性があります。

確定給付企業年金・厚生年金基金

勤務先によっては、確定給付型の企業年金や、かつての厚生年金基金の記録が残っていることがあります。解散した基金の分は、企業年金連合会が引き継いでいる場合があります。

ねんきん定期便を開く

公的年金については、毎年届くねんきん定期便が出発点です。50歳以上の方には、現在の加入条件が続いた場合の見込額が記載されています。

  • これまでの加入期間:未納や免除の期間がないかを確認します
  • 見込額:老齢基礎年金と老齢厚生年金に分けて見ます
  • 記録の漏れ:転職の前後や、旧姓の期間に漏れがないか

記録に心当たりのない空白があれば、年金事務所で確認できます。

出典:企業年金連合会iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)

保険は「入っているか」ではなく「誰が受け取るか」まで見る

保険の棚卸しでは、契約の有無と保険料だけでなく、受取人が誰になっているかを確認します。結婚や家族構成の変化のあと、受取人を変えないまま何十年も経っていることがあります。契約者・被保険者・受取人の3つを並べて見ます。

保険の棚卸しは、金額よりも「誰が」を確認する作業です。

3つを並べる

項目 意味 確認すること
契約者 契約を結び、保険料を払う人 誰が払っているか。税の扱いに関わる
被保険者 保険の対象になっている人 誰にかけているか
受取人 保険金を受け取る人 いまの意向と合っているか

⚠️ 受取人は、変えないまま長い年月が経ちやすい項目です。親を受取人にしたまま、その親が亡くなっている。家族構成が変わったのに、そのまま。受取人の指定は、遺言よりも直接的に効きます。定期的に確認してください。

解約する前に確認すること

使っていない保険を見つけたとき、すぐに解約するのは待ってください。解約は戻せません。

  • 解約返戻金がいくらか:払込期間の途中では、払った額を下回ることがあります
  • 払済や減額という選択肢:解約せずに保険料の負担を止める、または軽くする方法があります
  • いま同じ保障に入れるか:健康状態によっては、入り直せないことがあります

Mさん(58歳)は、20年前に入った終身保険を「もう要らない」と解約しようとしていました。内容を確認すると、払込は完了しており、解約返戻金は今後も増えていく契約でした。「持っているだけで増えるなら、置いておきます」

棚卸しは、あとで誰かが見るための備えにもなる

資産の一覧は、自分の判断のためだけでなく、自分で対応できなくなったときに誰かが見るためのものでもあります。入院したとき、判断が難しくなったとき、亡くなったとき。所在が分かる一覧があるだけで、周囲の負担は大きく変わります。

棚卸しの目的はふたつあります。ひとつは自分の判断のため。もうひとつは、自分以外の誰かのためです。

一覧があると変わること

場面 一覧がないと 一覧があると
入院・手術 家族が費用の出どころを探す どこから出すかがすぐ分かる
判断が難しくなったとき 財産の全体が分からない 後見や信託の準備がしやすい
亡くなったあと 相続人が金融機関を一つずつ探す 手続きの範囲が最初から分かる

相続の手続きでいちばん時間がかかるのは、実は分け方の話ではなく「どこに何があるかを調べる作業」です。ここが済んでいるだけで、残された方の負担はずいぶん軽くなります。

置き場所と伝え方

⚠️ 暗証番号やパスワードは、一覧に書かないでください。書くのは「どこに、どんな種類のものがあるか」までです。金額も、おおよそで十分です。盗まれても困らない粒度にしておきます。

一覧の所在は、信頼できる方に伝えておきます。中身まで見せる必要はなく、「こういうものが、ここにある」と伝えるだけで意味があります。

年に1回、見直す

棚卸しは一度きりの作業ではありません。年に1回、同じ表を開いて数字を入れ替えるだけで維持できます。誕生日、年末、ねんきん定期便が届く時期。決まったきっかけに紐づけると続きます。

今日から始めるなら、この順番で

棚卸しは一度にやろうとすると進みません。通帳とカードを集める、証券会社と保険会社からの郵便を集める、ねんきん定期便を開く。この3ステップに分けると、それぞれ30分程度で進められます。

3回に分ける

  1. 1回目:手元にあるものを集める(30分)
    通帳、キャッシュカード、クレジットカードを机に並べます。それだけで、口座の数が分かります
  2. 2回目:郵便物から拾う(30分)
    証券会社の取引報告書、保険会社のお知らせ、企業年金の通知。過去1年分の郵便を見返すと、たいてい出てきます
  3. 3回目:年金を確認する(30分)
    ねんきん定期便を開き、加入期間と見込額を書き写します。転職歴があれば、企業年金の有無も確認します

💡 完璧を目指さないでください。抜けがあっても、書き出したもののほうが、頭の中にあるものよりずっと役に立ちます。あとから足せばよいだけです。

書き出したあとに見えてくること

棚卸しを終えると、多くの方が次のどれかに気づきます。

  • 思っていたより資産がある。使っていない口座に残っていた
  • 思っていたより保険料を払っている。重なっている保障がある
  • 年金の見込額を、はじめてきちんと見た
  • 実家のことなど、これから関わる可能性のあるものに気づいた

ひとりで抱えなくてよい

FPis(エフピス)では、棚卸しそのものからご一緒することがよくあります。「持ってきていただくものは、通帳とねんきん定期便だけで結構です」とお伝えしています。

全体が見えたところから、はじめて「これからどうするか」の話ができます。順番としては、こちらが先です。

よくある質問

お金の棚卸しについて、ご相談の場でよくいただく質問をまとめました。口座の整理と、忘れられやすい年金・保険に関するものが中心です。

棚卸しは何から始めればよいですか?
通帳とカードを机に並べるところからです。手元にあるものを集めるだけで、口座の数が分かります。
口座はいくつくらいにまとめるのがよいですか?
用途で分けると3〜4口座程度に収まることが多くあります。ただし、すべてを1か所に集めないほうが災害時などに安心です。
使っていない口座は放置しても大丈夫ですか?
10年以上動きがないと休眠預金の対象になります。お金がなくなるわけではありませんが、引き出す手続きが増えます。
休眠預金になったお金は戻ってきますか?
金融機関で手続きをすれば引き出せます。通常の払い戻しより手間と時間がかかります。
転職前の企業年金はどうやって調べますか?
企業型確定拠出年金であれば国民年金基金連合会、解散した厚生年金基金であれば企業年金連合会に記録が残っている場合があります。
企業型DCを放置するとどうなりますか?
退職後6か月以内に手続きをしないと自動移換されます。運用されないまま手数料がかかり、受給に必要な期間にも算入されません。
保険の棚卸しで、いちばん見るべき項目は何ですか?
受取人です。家族構成が変わったあとも変更されないままになっていることがあります。
要らない保険はすぐ解約してよいですか?
解約は戻せません。解約返戻金の額、払済や減額という選択肢、いま同じ保障に入れるかを確認してからにしてください。
一覧にパスワードも書いておくべきですか?
書かないでください。どこにどんな種類のものがあるかまでで十分です。盗まれても困らない粒度にしておきます。
相談するとき、何を持っていけばよいですか?
通帳とねんきん定期便があれば始められます。足りない分は、その場で整理の順番をご一緒します。

東京・渋谷のFP事務所FPisが選ばれる理由

FP事務所FPis(エフピス)は、東京都渋谷区に拠点を置く独立系のFP事務所です。代表の石田健雄は第一生命に35年勤務したのち、2025年4月に独立しました。ご相談は、資産の全体像を一枚に整理するところから始めています。

石田健雄 FP事務所FPis代表

石田 健雄(いしだ たけお)|FP事務所FPis代表

CFP・1級FP技能士。第一生命に35年間勤務後、2025年4月に独立開業。ライフプラン・保険・資産運用・相続のご相談に対応しています。渋谷区渋谷2-19-19 ワコー宮益坂ビル5階。対面・オンライン・LINE・電話で対応。

対応エリア:東京都渋谷区周辺・首都圏全域(オンライン可)

日経BP(日経ビジネス Human Capital)に取材掲載

「70歳まで働き続けたい。
だからこそ、今このタイミングで独立するべきだ」

石田は第一生命に35年間勤め、本社所属のFPとして多くのお客様に向き合ってきました。40代で個人向け営業の最前線に立った4年間は「会社人生で最も充実していた」と振り返るほど手応えのある日々でした。

とりわけ印象に残っているのが、ご家族への寄り添いサポートです。複雑な手続きを一緒に進めてさしあげると「本当に助かりました」と感謝の言葉をいただきました。「お客様の役に立てる喜び」——その体験が石田の原点です。

2025年3月末に第一生命を退社し、翌4月1日にFPis(エフピス)の看板を掲げました。

📰 出典:「第一生命『黒字リストラ』1000人募集に約2倍応募」(日経BP / Human Capital Online)

FPisが提供できる5つの強み

  • 独立系のFP事務所:特定の金融機関に雇用されていないため、転勤で担当が変わることがありません
  • 報酬の出どころを開示:いただく報酬がどこから来ているかを「なぜ無料なのか」にすべて書いています
  • ワンストップ対応:FP相談を軸に、商品の取り扱いが必要な場合は石田が所属先の登録を用いて対応します
  • 伴走型の継続サポート:年1回以上のフォローアップで継続的に見直し
  • 専門家ネットワーク:税理士・弁護士・司法書士・不動産コンサルタントとの連携体制

📍 FP事務所FPis(エフピス)
東京都渋谷区渋谷2-19-19 ワコー宮益坂ビル5階(渋谷駅・宮益坂口から徒歩約5分)
対面・オンライン・LINE・電話・メール、すべてに対応。首都圏以外からもオンラインでご相談いただけます。

ひとりで決めきれないところは、一緒に整理できます

FP事務所FPisは、初回90分のご相談を無料でお受けしています。「まだ何も決まっていない」段階でも構いません。お手元の数字を一緒に並べるところから始めます。

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