50代からの資産の色分け|使う・守る・育てるで置き場所を決める考え方
「そろそろ運用を始めたほうがいいのでしょうか」——50代の方から、いちばん多くいただく質問です。ただ、この問いに商品名で答えると、たいてい後悔につながります。50代の資産は、20代30代のように「増やす」だけを考える段階ではありません。数年以内に使うお金と、20年後まで使わないお金が同じ財布に入っている——これが50代の特徴です。まずやることは、商品を選ぶことではなく、お金を役割ごとに分けることです。
📌 この記事の要点
- 50代の資産運用は、商品選びより「どのお金をいつ使うか」を決めるところから始まる
- 資産を使う(5年以内)・守る(5〜10年)・育てる(10年以上使わない)の3つに色分けする
- 「使うお金」は増やそうとしない。元本の確かさと引き出しやすさを優先する
- 「育てるお金」は10年以上手をつけない前提だからこそ、値動きのある資産を持てる
- 色分けの割合に正解はない。夜眠れる配分かどうかが、続けられるかどうかを決める
50代の資産運用で、最初に決めるのは「置き場所」
50代の資産には、数年以内に使う予定のお金と、20年近く使わないお金が混ざっています。この2つを同じ方針で運用すると、必要なときに値下がりしていて動かせない、という事態が起きます。まず使う時期でお金を分け、時期ごとに置き場所を決めるのが、50代の資産運用の出発点です。
資産運用の相談というと、「どの投資信託がよいか」「今は買い時か」という話になりがちです。ですが50代の場合、先に決めるべきなのは商品ではなく置き場所です。
理由は単純で、50代の資産には使う時期がまったく違うお金が同居しているからです。
- 来年の家の修繕費
- 子どもの学費の残り
- 65歳から取り崩し始める生活費
- 80代になって介護が必要になったときの費用
これらを一括りに「資産」として扱い、同じ方針で運用すると、使いたいときに値下がりしていて動かせないということが起こります。逆に、20年使わないお金まで全額を預金に置いておくと、物価が上がる局面では実質的な価値が目減りしていきます。
💡 ポイント:「増やすか、守るか」は二択ではありません。お金ごとに答えが違うだけです。
資産を3つに色分けする(使う・守る・育てる)
資産を使う時期で3つに分けます。5年以内に使う予定があるお金は使うお金、5年から10年で生活を支えるお金は守るお金、10年以上使う予定がないお金は育てるお金です。分けたあとに、それぞれの性格に合った置き場所を選びます。分け方が決まれば、商品選びは自然に絞られます。
| 色 | いつ使うか | 優先すること | 置き場所の例 |
|---|---|---|---|
| 使うお金 | 5年以内に使う予定がある | 元本の確かさ・引き出しやすさ | 普通預金・定期預金 |
| 守るお金 | 5〜10年かけて生活を支える | 値動きの小ささ・確定した受取 | 個人向け国債・定期預金・年金型の受取 |
| 育てるお金 | 10年以上使う予定がない | 長期の成長・分散 | 投資信託などの値動きのある資産 |
色分けの手順は3ステップ
- 使う予定を書き出す。金額と時期をセットで。「いつか」ではなく「何年後にいくら」と書きます
- 使う予定のあるお金を先に取り分ける。ここが最優先です
- 残ったお金を、守ると育てるに分ける。この配分だけが、いわゆる「運用方針」です
⚠️ 順番を逆にして「まず何%を投資に回すか」から考えると、使う予定のお金まで値動きのある資産に入ってしまいます。予定が先、配分は後です。
「使うお金」――5年以内に出ていくお金の置き場所
5年以内に使う予定があるお金は、増やすことを目的にしません。必要なときに必要な額を確実に引き出せることが最優先です。生活費の半年から1年分の生活防衛資金もここに含めます。この部分が確保できていると、値動きのある資産を持っていても慌てずに済みます。
ここに入れるお金
- 生活防衛資金(生活費の半年〜1年分が一つの目安)
- 住宅の修繕、車の買い替え、リフォームなど時期が読める大きな支出
- 教育費の残り
- 退職後、年金が始まるまでの生活費(早期退職の場合はここが厚くなります)
置き場所の考え方
普通預金と定期預金で十分です。金利を追いかけて条件の複雑な商品に入れると、必要なときに引き出せないということが起こります。
💡 相談の現場から:この「使うお金」が確保できている方は、相場が下がっても慌てて売りません。逆にここが薄い方ほど、下がった局面で売ってしまいます。投資の成否を分けているのは、投資の外側の準備であることが多い——35年の実務のなかで、繰り返し感じてきたことです。
「守るお金」――これからの10年の生活を支えるお金
守るお金は、5年から10年のあいだに生活費として取り崩していく部分です。大きく増やす必要はありませんが、物価上昇に少しでも対応したい部分でもあります。個人向け国債や定期預金など、値動きが小さく受取が読める置き場所を組み合わせるのが基本的な考え方です。
「使うお金」と「育てるお金」のあいだにある、いちばん判断が難しい部分です。
この層に求めるもの
- 大きく減らさないこと。取り崩しの時期が近いため、回復を待つ時間が短い
- 受け取る時期と金額が読めること。生活設計に組み込むためです
- 物価上昇に多少は対応できること。10年は、物価が動くには十分な長さです
選択肢の例
| 置き場所 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 個人向け国債(変動10年) | 半年ごとに金利が見直される。国が発行 | 発行から1年間は原則中途換金できない |
| 定期預金 | 満期と金額が確定している | 物価上昇局面では実質的な価値が目減りしうる |
| 公的年金の繰り下げ | 受給を遅らせることで、生涯にわたる受取額を増やせる | 繰り下げ待機中の生活費を別に用意する必要がある |
💡 見落とされがちな選択肢:公的年金の繰り下げは、実質的に「守るお金」を増やす手段でもあります。ただし、待っているあいだの生活費を「使うお金」から出す必要があるため、両方をセットで考えます。
「育てるお金」――10年以上使う予定のないお金
10年以上使う予定のないお金は、値動きを受け入れられる部分です。時間を味方につけられるため、世界に分散した投資信託などで運用する選択肢が現実的になります。ここで大切なのは商品選びよりも、値下がりした局面で手放さずにいられる金額に抑えておくことです。
なぜ10年で区切るのか
値動きのある資産は、短い期間では上下の振れが大きくなります。期間が長くなるほど、平均的な結果に近づきやすくなるというのが、分散投資の基本的な考え方です。とはいえ、これは将来の成果を約束するものではありません。10年という区切りは、回復を待てる時間があるかどうかの目安です。
50代がこの層で気をつけたい3点
- 一度に全額を入れない。入れる時期を分けることで、高値づかみの影響を薄められます
- 中身を分散する。特定の国や業種に偏っていないかを確認します
- コストを見る。長期で持つほど、信託報酬などの差が積み上がります
⚠️ 「育てるお金」を増やしすぎないことも大切です。眠れなくなる金額は、その人にとって適量を超えています。金額の正解は、統計ではなくご自身の感覚のなかにあります。
色分けの割合をどう決めるか
3つの割合に一律の正解はありません。使うお金と守るお金を先に確定させ、残りが育てるお金になる、という順番で決めます。年齢や資産額よりも、収入が続くかどうか、取り崩しを始める時期、値下がりへの耐性の3つが、実際には配分を大きく左右します。
配分を決める3つの問い
- これから何年、収入がありますか。働く期間が長いほど、育てるお金を厚くできます
- 取り崩しを始めるのは何歳からですか。年金の受給開始時期と、その前の空白期間を確認します
- 資産が2割下がったとき、そのまま持ち続けられますか。持てないなら、育てるお金が多すぎるということです
よくある考え方と、その限界
「100から年齢を引いた数字を投資の割合にする」といった目安を聞くことがあります。話の出発点としては分かりやすいのですが、同じ55歳でも、退職金が入る方と入らない方、家賃を払い続ける方と持ち家の方では、取れる配分がまったく違います。年齢だけで決めるのは、実務ではおすすめしにくい方法です。
💡 順番のおさらい:使う予定を書き出す → 使うお金・守るお金を取り分ける → 残りが育てるお金。この順番なら、配分は自然に決まります。
色分けを見直すタイミングと、よくある3つの誤解
色分けは一度決めて終わりではありません。退職、年金の受給開始、住まいの変更、家族の状況の変化といった節目で見直します。年に一度、使う予定の一覧を更新するだけでも、配分のずれに気づけます。見直しの頻度は高すぎないほうが続きます。
見直すタイミング
- 退職・再就職など働き方が変わったとき
- 年金の受給を始めるとき
- 住まいを変えるとき、大きな修繕を終えたとき
- 家族の状況が変わったとき
- それ以外は、年に1回で十分です
誤解TOP3
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| 「50代からでは運用は遅い」 | 10年以上使わないお金があるかどうかで決まります。年齢そのものが判断基準ではありません |
| 「預金だけにしておけば安全」 | 元本は減りませんが、物価が上がる局面では実質的な価値が目減りする可能性があります |
| 「まとまった資産があるから全部運用すべき」 | 使う予定のあるお金まで値動きにさらすと、必要なときに動かせなくなります |
💡 FPisでは、商品の提案よりも先に、お金の色分けを一枚の表にするところからご一緒します。ご自身でやる方が低コストな場面では、そのまま「ご自身で買われるのがいちばんです」とお伝えしています。
よくある質問(FAQ)
資産の色分けは、何から始めればよいですか?
生活防衛資金はいくら必要ですか?
50代から投資を始めるのは遅いですか?
使うお金も少しは運用したほうがよいですか?
退職金はどの色に入れればよいですか?
個人向け国債はどんなお金に向いていますか?
育てるお金は何割くらいが適切ですか?
物価が上がると預金はどうなりますか?
色分けはどのくらいの頻度で見直すべきですか?
自分に合う配分がわかりません。相談できますか?
東京・渋谷のFP事務所FPisが選ばれる理由
FP事務所FPis(エフピス)は、東京都渋谷区に拠点を置く独立系FP事務所です。代表の石田健雄は第一生命に35年勤務し、100世帯超のお客様のお金の課題に向き合ってきた実績を持ちます。資産の色分けから取り崩しの設計まで、FP相談・保険・証券をワンストップで提供します。
石田 健雄(いしだ たけお)|FP事務所FPis代表
CFP・1級FP技能士。第一生命に35年間勤務後、2025年4月に独立開業。100世帯超のライフプラン・保険・資産運用・相続をサポート。渋谷区渋谷2-19-19 ワコー宮益坂ビル5階。対面・オンライン・LINE・電話で対応。
対応エリア:東京都渋谷区周辺・首都圏全域(オンライン可)
「70歳まで働き続けたい。
だからこそ、今このタイミングで独立するべきだ」
石田は第一生命に35年間勤め、本社所属のFPとして多くのお客様に向き合ってきました。40代で個人向け営業の最前線に立った4年間は「会社人生で最も充実していた」と振り返るほど手応えのある日々でした。
とりわけ印象に残っているのが、ご家族への寄り添いサポートです。複雑な手続きを一緒に進めてさしあげると「本当に助かりました」と感謝の言葉をいただきました。「お客様の役に立てる喜び」——その体験が石田の原点です。
2025年3月末に第一生命を退社し、翌4月1日にFPis(エフピス)の看板を掲げました。
📰 出典:「第一生命『黒字リストラ』1000人募集に約2倍応募」(日経BP / Human Capital Online)
FPisが提供できる5つの強み
- 独立系の中立性:保険会社・証券会社・銀行のいずれにも属さず、お客様の利益を最優先
- ワンストップ対応:FP相談・証券・保険を一貫サポート
- 伴走型の継続サポート:年1回以上のフォローアップで継続的に見直し
- 専門家ネットワーク:税理士・弁護士・司法書士・不動産コンサルタントとの連携体制
- 初回相談90分無料:伴走サポート1年間も無料
📍 FP事務所FPis(エフピス)
東京都渋谷区渋谷2-19-19 ワコー宮益坂ビル5階(渋谷駅・宮益坂口から徒歩約5分)
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資産の置き場所は、渋谷の伴走型FPへ
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却・保有を推奨するものではありません。制度・税制・数値は執筆時点の公開情報にもとづいており、今後変更される場合があります。
※税務・法務の取り扱いは個別事情により異なります。実際の判断にあたっては、税理士・弁護士・司法書士など各分野の専門家にご相談いただくことをお勧めします。投資には元本割れなどのリスクがあり、最終的なご判断はご自身の責任でお願いいたします。

